親友

最初に、多分これジェネxデスペだけどデスペxジェネでもあるような気がする・・w
どちらにでも転べる感じ(・ε・`*)
本人どっちがどっちだか解らなくなってきたんだ・・・w

無駄に長いです・・・w
ジェネラルとデスペの友情を描いてみた(ノД<*`)友情+恋愛?w
天界からこっちに来た時のお話+。:.゚ヽ(*´ω`)ノ゚.:。+
二人は一緒にアラド大陸に落ちてきたんです(つω`*)
ちょいシリアス?少し途中暗くなりますが全体的にはハッピーな話です(´・ω・`)
平気な人はどうぞー+。:.゚ヽ(*´ω`)ノ゚.:。+



私はソファーの上で天井を見上げながら一度大きくため息を吐き出す。
窓の外では雨が地面を激しく打つ音がする。
頭が痛い、雨の日は何時もそうだ。
「暇ですね・・・」
つぶやいた所で私以外誰も居ない部屋から返事が帰ってくるはずがはない。
私は何をする気も無くただ呆然と天井を眺めていた、頭痛に苛立ち眉間にしわを寄せる。
何時間もそんな時間をすごしていると、薬が効いてきたのか次第に頭痛は和らぎ私は夢の中へと落ちていった。



大きな屋敷の庭で私の目の前で金髪の少年が悪戯な笑みを浮かべながら人差し指を立て自分の顔の前へと持って行く。
私はそんな少年に一度頷き同じような笑みを作りかがんだ自分たちの背程の高さまで伸びた花壇の草の間から整備された庭の歩行路をじっと見ていた。
歩行路の途中にはあからさまに掘り返した後を思わせる色の変わった土が盛り上がっている。
それでも、私たちはその光景に違和感を覚える事のないまま、その時がくるのを笑いを押し殺してずっと待っていた。
数分もすると一人の足音が耳に届く、足音は規則的なリズムを刻みまっすぐに落とし穴の方へと向かってきた。
とうとう、私たちの視界には一人の足が入る。
見覚えのある丁寧にみがかれた黒い革靴に私たちは思わず顔を見合わせるた。
同時に落とし穴の前までたどり付いた足は、ピタリと歩みを止める。
それを確認するが早いか私と少年は同時に立ち上がり花壇とは逆方向へと一気に走り出す。
「グンジっ!!ラルっ!」
怒りを含んだ声が後ろから響く。
「うわっ!まさかお前の親父さんが来るなんてついてねーな」
グンジと呼ばれた少年に笑いながら言えばグンジは同じように笑って返してきた。
「こんなとこふらついてるなんて親父も暇だよな」
言い終わるのとほぼ同時に私たちの体は宙に浮く、足が宙を蹴り私たちは慌てて振り返った。
「見回りも立派な仕事だ」
私たちはグンジの親父さんより早くに走り出していたのにあっという間に追いつかれ今は猫のようにつかみ上げられていた。
「グンジお前はラルにこんな事ばかり吹き込んで・・・・お前を遊び役に選んだのはこんな事をさせるためじゃないんだぞ」
グンジは貴族である私の父を守る任につく軍人の息子だった。
歳が近いこともありグンジは私の遊び相手としてここに出入りするようになったのがもう2年も前になる。
母親を早くになくし過保護に育てられた二年前の私は部屋から出る事を嫌い、何時も幼い頃に母親が作ってくれた沢山の人形に囲まれて暮らしていた。
そんな私を心配した父から相談を受けてグンジの親父さんは私の部屋にグンジを連れてきた。
私をみたグンジの最初の一言は今でも忘れない。
「女の子みたい」
人形に囲まれ日にも当たらず、狭い部屋の中で暮らしていた私は今思えばたしかに、そう見えたのかもしれない。
それでも、当時の私からしたら馬鹿にされた様で悔しかった。
第一印象は最悪だった、ハッキリ言えば嫌いだった。
それでも、大人に囲まれ腫れ物に触れるように育てられてきた私は、何時も楽しそうにしている歳の近いグンジに興味を抱くようになっていた。
私とは違い元気活発で、よく悪戯をしては親父さんにこっぴどく怒られ、それでも懲りずに数分後には又新しい悪戯の計画を練っていた。
私に対してもグンジの態度は変わらなかった。
「なぁ?ラルお前も来いよっ!すっげぇ面白い事考えたからよ」
半場無理やり外に連れ出され私は久しぶりに外を歩いた、太陽の眩しさに目がくらむ私をよそにグンジは穴を掘っていた。
「見てないで手伝えよ」
言われるままに数時間大きな穴を掘り続けた私たちはドロだらけになりながら、その穴を隠し誰かが通るのを息を殺し数時間まった。
誰も通らないと解ると、グンジに言われるまま私は屋敷の使用人を呼び出し注意を上へと向けさせながらまんまと悪戯を成功させた。
悪戯が成功したときの達成感は何とも言えない。
私はこの瞬間にグンジが何度怒られても何時も楽しそうにしているの訳を理解した。
この日、私とグンジはグンジの親父さんに同じようにこっぴどく怒られたが私の生活はこの日を境に一変した。
部屋に引きこもってばかりだった私は、毎日グンジと外に出ていくつ物罠を作っては使用人達を驚かせた。
部屋に引きこもっていた頃が嘘のように毎日楽しく笑ってすごすようになった。
私の父親も元気になった私を見て、いつも悪戯しては叱られる私たちを見て嬉しそうに笑っていたのを覚えている。
一番変わったのは私とグンジの仲。
嫌いだとまで思ったグンジを私は親友と呼ぶまでになっている。
グンジも又私を親友だと言ってくれた。
お互いに一番の宝物を交換したりもした。
今まで沢山の贈り物を与えられてきた私だが、どんなにお金をかけた贈り物よりも親友がくれた拾っただけの「恐竜の形をした石」を貰った時が一番嬉しかった。
私がグンジに贈ったのは死んだ母が私にくれたピアス。
赤い綺麗な丸い石がついた綺麗なピアスだったが、片方なくしてしまい捨てようとしていたのを私が貰った物だった。
他の誰でもない母の死から立ち直れず引きこもりっぱなしだった私を外に連れ出してくれた大切な親友譲る事ができるのだから、手放す時も全く寂しくはなかった。
母親の形見と聞いて慌てて返そうとするグンジに私は貰って欲しいと強く言い返すと、彼には珍しく真剣な表情で「大事にする」と返ってきた。





数年後そんな親友との別れは突然やってきた。
「俺・・・明日から軍に入るんだ・・・・」
私の14の誕生日祝いが終わった夜、帰る前にグンジは突然私にそう切り出した。
「なっ・・・そんな突然!?」
私の言葉にゆっくりと目の前のグンジが首をふる。
私の大好きな深緑色の綺麗な瞳が伏せられる。
「小さい頃から決まっていた事なんだ、一ヶ月ほど前に志願書を出した・・・親父の居る軍に俺も入る」
言いながらグンジが小さく笑った。
「もう、14にもなれば遊び相手も必要無いだろ?俺も16だしそろそろな?」
笑ったグンジの表情は少し寂しそうにも見えた。
昔みたいに悪戯はもうする事は無くなったが、私とグンジは銃を握り模擬訓練をグンジの親父さんから受けながら何時も結果を競いあっていた。
親友であり、ライバルでもあった。
解ってはいた、いつまでもグンジが私の遊び相手として側に居るわけには行かないのだと、それでもこんな突然に別れが来るなんて思ってもいなかった・・・。
「っ・・・そんな・・・・」
困らせてしまう、解っていても親友が離れていくの私は見送る事が出来ない。
それ以上口に出来ずにいると、再びグンジが小さく笑う。
右指で真っ直ぐに伸びた綺麗な髪をゆっくりとかきあげ耳にかける。
右の耳には小さな穴が一つ開いていた。
「昨日穴を開けたばかりでまだピアスはさせないらしいが・・・」
言われて私はグンジに贈ったピアスを思い出す。
「大事にしまっていても、やっぱり付けてやらないとピアスの意味が無いからな?次に会う時にはちゃんと付けて会いにくるから」
私は目を見開きグンジの目を見る。
「次・・・?」
目の前の親友は昔の様な悪戯な笑みを浮かべた。
「あぁ、俺は優秀だからな!直ぐに訓練期間何か終えて任務に付く」
見慣れた何時もの友人が私の目の前に立っていた。
「ラルは弱いお貴族様だからな、強い軍人の俺が守ってやるよ」
小さい頃から負けず嫌いな親友が断るごとに口にしている言葉。
私は何時もと変わらない友人を前に小さく笑う。
「よく言いますね?練習試合で一度も私に勝った事が無いくせに」
グンジは顔をしかめ口を開いた。
「お貴族様に花を持たせてやるのも軍人の仕事だっ!」
これも又、負けず嫌いな私の親友の悪い癖だ、それも私限定で見せる姿。
ライバルだからこそ私にだけは負けたくないとあがく親友の悪い癖。
他の誰に負けてもグンジは素直に現実を受け入れるが私にだけは絶対に認めようとはしない。
私はグンジに解らないように声には出さずに笑った。
「では、私もグンジが軍で偉い軍人様になって帰ってくるまでにきっと今より強くなって見せますよ、貴方に守られるじゃなく守れる位に」
言い返された言葉にグンジは目を丸くすると、困ったような笑みを浮かべた。
「それじゃぁ、俺は全く必要なくなるだろ」
私はゆっくりと首をふると再び口を開く。
「私にはグンジが必要なんですよ、早く強い軍人様にでもなって帰ってきて下さいね、グンジが私より弱くてもちゃんと雇ってあげますから」
言葉にグンジは何とも言えない複雑な表情を作った後には又何時もの悪戯な笑みを浮かべる。
「俺は必ず自分の実力でここに戻ってきてやるさ」
軍の訓練は決して楽では無いだろう、私がグンジの親父さんから受けていた訓練よりもずっと厳しい物になるだろう。
それでも、グンジはきっと直ぐに私の元に戻ってくると信じる事が出来た。
「又今度会いましょう、その時は又練習試合でお手合わせをお願いします」
「あぁ」
短く返事を返すとグンジは背中を向け、そのまま振り返らず屋敷の門をくぐり外へと出て行った。










それから4年の月日が流れたある夜、屋敷内に一発の銃声が響き渡った。
銃声が聞こえたのは上にある父親の部屋からだった、私は慌てて銃を握り長い廊下を走り部屋の中の様子をうかがった。
暗い闇の中でいくつもの陰が部屋の中で動いていた。
私は状況を確認しようと目を凝らし意識を中へと集中させる。
何人かの話声が耳に届く、次第に暗闇に慣れた目が状況を捉え始める。
ベットには私の父親が頭から血を流し息絶えていた、側に居るのは雇われた軍人。
私は音を立てないようゆっくりとその場を離れ、屋敷の外へと出た。
それでも屋敷の敷地から出る事が出来ず、私は頭の中で状況を整理する。
聞こえてきた会話はとんでもない物だった。
軍はこの家を裏切り対立する国に忠誠を示そうとしているようだった。
おそらく対象はこの家だけではない・・・。
昨日まで家を守っていた軍が突然寝返ったのだ。
私は突然の事にどうしていいのか解らず、考えようとすればするほどに冷静さを失っていった。
私は貴族でありながらも、グンジが帰ってきた時に負けまいと必死で戦闘の術を学んできた。
それでも、この状況下で私の知識は何の役割も果たしてはくれない。
「っ・・・・」
焦り苛立ち私は強く銃を握り締める。
軍で訓練を受けた軍人数人を相手に勝てるはずも無い、ここを上手く抜けたとしても国に裏切られた私が生きていく場所は無い・・・。
考えに夢中になっていると、突然後ろから伸びてきた腕に口を塞がれる。
「っ!?・・・ぐ・・」
慌てて相手の腕を振り払おうと暴れるが、流石に正式な訓練を受けた軍人相手には私の抵抗などあっさりといなされてしまった。
「静かに」
耳元で告げられた声に私の体は固まる。
聞き覚えのある声、それでも数年も耳にしなかった懐かしい声。
「手を離すが騒ぐなよ?」
言われるが早いか、腕はゆっくりと私から離れていく。
私は慌てて振り返り、声の主を確認する。
4年前より少し雰囲気は変わったがそこには懐かしい親友の姿があった、思わぬ再開に私は嬉しくなり今の状況を忘れてしまいそうになる。
が、同時に私は一つの事実に気付き目の前の男と距離を取った。
「貴方も私を裏切った軍人の一人ですか」
グンジの入った軍は間違いなく、今私を裏切った軍だった。
証拠に着込んだ軍から支給される服は私の父親の部屋に集まっていた奴らと全く同じ物だ。
私の問いにグンジは目を見開き驚いた表情を作ったが、状況から私の不安を理解したのか目を細め真剣な表情で真っ直ぐに私を見た。
「俺は絶対に親友を裏切ったりしない、ラル俺を信じろ」
返事を返さず真っ直ぐにグンジの目を見返す。
苛立った様子のグンジが舌打ちをするのがわかった。
「今誰も信じられないのは解るっ、だが俺はお前を守るために軍に入ったんだ国に従うためじゃない」
私が居ない事に気付いたのか、遠くのほうから何人もの声が聞こえる。
走りながら言い争っているのか、怒鳴りながらもいくつ物足音があちらこちらに散っていく。
こちらに向かってくる足音も確認できた。
「っ!?来いっ、必ず逃がしてやる」
慌てている、グンジの表情から焦りが見て取れた。
訓練されたあの数の軍人を相手にするのは危険なのだろう、それに恐らくグンジは未だ訓練期間を終えて間もない、実戦経験の少ない駆け出しの軍人だろう。
私は掴む腕を振り払い、グンジを真っ直ぐに見た。
グンジはいらだった様に、それでも私を探す多くの軍人に気付かれないように声を押し殺し私に語りかけた。
「ここに居ても殺されるだけだ、俺がそんなに信用できないならここを切り抜けたら俺を撃ってでも逃げればいい」
私は首を振る、グンジを疑ったのは最初の本の一瞬だけ、質問をした頃にはもう気付いていた。
目の前の親友が私を裏切るはずが無い、約束を破るはずが無いのだ。
「私を逃がせばグンジ・・・貴方がどうなるか、解らないわけではないでしょう?私はグンジ・・貴方を犠牲にしてまで助かりたいとは思いません」
グンジの眉間にしわが寄る、苛立っているのがピリピリと伝わってくる。
先ほどまでとは明らかに違う苛立ち。
「俺はお前を絶対に助ける、そしておれ自身も死ぬ気は無い」
再び伸ばされた腕を私は避け慌てて立ち上がる。
伸ばされた指は空しく空をかいた。
「そんな事言っても解らないじゃないですか」
思わず大きくなった声を聞きつけた軍人がこちらへと走ってくるのが聞こえた。
私は慌ててグンジから離れようと身をひるがえしたが、強く腕を捕まれ強引に引っ張られた。
「離して下さいっ!!私はグンジを巻き込みたくないっ!」
掴まれる腕に更に力がこめられる、振り返ったグンジの綺麗な瞳は怒りに揺れていた。
「俺は諦めないっ!親友を見殺しになんてしないっ、俺はお前を守るって約束しただろ!」
4年前笑いながら話、約束した事を思い出す。
もう、あの時の様に笑い会う事は出来なくなるかも知れない。
それでも、今諦めてしまえば絶対にそんな日は訪れない。
一緒に今逃げて、もし奇跡的に逃げ切れたならそんな日が来るのかもしれない。
それは絶望にも近い本当に微かな希望だった。
「私は・・・グンジを・・・貴方を守ります」
口にすると突然、今まで色んな考えにパンクしそうだった思考がまとまった。
ただ、グンジを守る。
その考えだけに集中する事が出来た。
私の腕を掴んでいたグンジの手が離れ代わりに、銃をしっかりと握った。
「それでいいっ!」


心臓が破裂するんじゃないかと言うほど私たちは走り続けた、どれだけ走り続けても追ってくる軍人の影は減る事はなかった。
とうとう私たちは崖へと追い詰められてしまった。
「裏切らなきゃ殺される事も無かったのになグンジ?親父さんに免じて今そいつをここで殺すなら今回は見逃してやってもいいぜ?」
軍人の一人が一歩前に出てそう口にする、私はその言葉にグンジを見た。
もう、これでは助かる見込みは無い。
ならせめて私はグンジだけでも生きていて欲しい。
もう、本当に十分だった。
私の親友は命を懸けて私との約束を果たそうとしてくれた、なら私は・・・、その親友を命を懸けて助けてやりたい。
「グンジ私はもう十分です、危険をおかしてまで貴方は私の所へかけつけてくれました」
疲れきった表情のグンジが私を見た。
「私を殺してください、貴方まで死ぬ必要は無い」
不器用で優しい私の大切な親友、私にはもったいない親友でした。
グンジは右の手でゆっくりを髪かき上げ耳にかける。
耳元には私が贈った綺麗な赤色の石が覗いている、記憶にあったそれよりもずっとずっと綺麗な石だった。
そのまま腕を下ろすとグンジの腕は銃を掴む。
ゆっくりと私へと銃口を向け、グンジは無言のまま目を伏せた、私が出合ったあの日に好きになった綺麗な緑色の瞳はもう二度と私を捉えることは無くなるのだろう。
そう、考えると少し寂しい気もした。
安全バーを引く独特の金属音が耳に響く。
カチっと、音がするのと同時にグンジの口の端がつりあがったのが見えたが早いか、グンジは素早く身をひるがえすと一発の銃弾を先ほどの男の眉間へと正確に打ち込んだ。
けたたましい銃声が響くと男はひざからゆっくりと倒れていく、それと同時に周りに居た何人もの軍人が銃を引き抜き私たちに銃口を向けた。
その光景は私の目にはゆっくりと移って見えた。
再び振り返ったグンジは昔の様な悪戯な笑みを浮かべていた。
「俺は諦めないっていったぞラル!」
あっけに取られていた私の体はグンジの腕に後ろへ強く引っ張られる。
銃声が響くよりも一瞬早く私とグンジの体は宙にうき崖の下の海へと向かって落ちていく。
空が遠くなるのを私はグンジ肩越しに眺めていた。
「海に落ちて助かる確立は万に一も無いが!あそこで銃弾を浴びるよりはあるかもな」
奇跡を信じるよりもずっと小さな可能性だ。
それでも覗き見たグンジの表情からは諦めの色はみじんにも見て取れない。
それが私を妙に安心させた。
「俺は最後までお前を絶対に裏切ったりしない」
私には本当に勿体無いほどの男だ。


海に落ち波に飲まれ走り続け疲れきっていた私は直ぐに意識を手放した、私の記憶では私が意識を手放すその時もグンジは私を守るように側に居た。
何度も波に飲まれながらも私の視界から消える事はなかった。
次に目を開けたのは海からは程遠い草木が生い茂った不思議な場所だった。
慌てて見回した辺りにはグンジの姿は無かった・・・・。








シトシトと地面を打つ雨の音に私は目を覚ました。
深い眠りに入っていたのかもう外は暗くなっていた。
嫌な夢を見た。。。
このアラド大陸に落た6年前、酷い裏切りにあったあの悪夢の様な日の夢。
私はあの日以来誰も信用する事はなくなった、裏切られる事に酷く臆病になってしまったのだ。
呆然とする頭で天井を眺める。
未だはっきりとしない視界に天井がぼやけうつる。
「暇ですね・・・・」
「そうだな」
誰も居ないはずの部屋から聞きなれた声が返ってくる、私は慌てて身を起こし部屋を見る。
そこには見慣れた親友がタバコをふかし私の家でくつろぐ姿があった。
私はそんな親友を視界に捕らえると苦笑いをもらす。
「来ていたんですか、起こしてくれればよかったのに」
「何時もの様に頭痛で寝ていたんだろ?」
タバコをくわえたままグンジは器用にそう話した。
私は子供の頃から雨が降ると酷い頭痛でよく寝込んでいた。
グンジが私のほうを心配そうに見ているのに気づくと私は小さく笑って返す。
「もう、大丈夫ですよ今はもうだいぶおちついていますから」
「そうか」
短く返事を返すとグンジは買ってきたのだろう机の上に置かれた袋の中身を取り出しにかかる。
私はそんなグンジにそっと近づくと髪に触れる、髪の間からは綺麗な赤い石が覗いていた。
私の行動に驚いた様にグンジが振り返り怪訝な表情を浮かべた。
「・・・なんだ・・・?」
綺麗な緑色の瞳が真っ直ぐに私を見ていた。
「グンジがいるなーと思いまして」
笑いながら告げると更に眉間に入るしわが深くなる。
予想通りの反応に私はさらに笑いがこみ上げてくるのを押さえ、タバコを奪うとそっとグンジの頬に触れ顔を寄せる。
触れるか触れないかの距離でわって入ってきたグンジの手に押し戻されてしまった。
「どうせ今日も外に出れないままだったんだろ?何か胃に詰込め」
私はそんな、グンジの腕を掴むと今度こそグンジの唇に触れる。
抵抗をするでもなくグンジは黙って私を受け入れた。

6年前のあの日、一人で目を覚まし足の痛みから動けずにその場から、名前を呼ぶとグンジは自分も酷い怪我を負いながらも見知らぬ土地で応急処置に使えそうな添え木等を集め、草むらからひょっこりと現れた。
私たちは奇跡的にも軍の手から逃れ、この大陸に生きて落ちてきたのだ。

ゆっくりと顔を離すと相変わらずの表情でグンジは私を見ていた。
「満足しただろ?何かを胃に入れないと体に悪いぞ」
ここまできても表情を崩さず先ほどの会話を続けようとするグンジに私は思わず苦笑いを漏らす。
「せっかくいいムードになってきたのに」
グンジは私から素早くタバコを奪い返すと悪戯な笑みを作る。
私はグンジのこの表情が一番好きだったりする。
「続きがしたかったらさっさと食え」
私は渋々と袋の中身を確認しながら口を開く。
「食べて直ぐに体を動かすと胃に悪いですよ・・・・」
ソファーに腰掛けるグンジを恨めしげに見る。
「なら、今日はおあずけだな」
私は袋に入っていたパンをひとかじりすると、ソファーに座るグンジの首筋に舌を這わせた。
今度は強く肩を押され拒否されてしまった。
「ちゃんと食べろ」
私はかまわずグンジのタバコを奪い服の間に指をすべりこませる。
諦めたのかグンジはそれ以上の抵抗はしなかった。
「後でちゃんと食べろよ?」
その言葉に私は小さく噴出してしまった。
私を心配してくれる恋人が酷く愛おしい。
「えぇ、後でたべます」
言いながら深く口付ける、顔を離すと綺麗な緑色の瞳が熱にうかされ揺れていた。
そっと、耳をなめるとグンジの体は小さく跳ねる、そのまま私はそっとグンジにささやく。
「愛してますよ」
同時にみるみるグンジの顔に熱が集まるのが解った。
「っ!!」
グンジはこの言葉に弱い、私は解っていてこの言葉をよく使う。
私意外には決して見せない表情。
グンジは私を絶対に裏切ったりはしない、私もグンジを絶対に裏切ったりはしない。
グンジは私を誰よりも信用している、私も又グンジを誰よりも信用している。
私はグンジ以外の者を信用はしない、グンジだけで十分なのだ。
私のために命を懸けてくれる程の者はグンジただ一人だけだ、そしてグンジのために命をかけることが出来るの私だけなのだ。
雨の音が小さく耳に届く。



★あとがき★
攻めっぽいのに最後には何故か受け側になってるデスペ(´・ω・`)
でも、ここから攻めに転じる可能性もあるか(゚ω゚`)?w
デスペxジェネなのかジェネxデスペなのか今一わからないままだ*1ヶラヶラ
この二人の深い絆を描いて見たかったんです(´・ω・`) w
デスペはきっと一度言った事は死んでも変えない、そして大事な親友とかは命がけで守るよきっと(。`・ω・´。)
私が書くと何故デスペはクールとは程遠くなるんでしょうか・・(涙
幸せになれよ ラルもグンジも(´・ω・`) w
後、恋人になったのはアラド大陸に着てからです(。`・ω・´。)天界ではお互い親友のポジション!w
そして、ラルの危険を知らせたのは親父さんだと思います、親友を何よりも大事にする息子に後悔させまいと・・・w
親父さんは国に従う軍人ですが、やはり息子は可愛い(・´ェ`・)
この後親父さんどないなったかは、わからね(ノД<*`)
無駄に長い駄文に最後まで付き合ってくれた人がいたなら、ありがとぉぉぅ;x;

*1:*´∀`