絶対好きじゃない

最初に言っちゃうと、プレイボーイ設定にしたジェネがいます、そしてその口説きテクニックは限りなく痛いですw
気持ち悪いレベルだと思うwウザイ、キモイジェネがいても絶えれる人はどうぞー(´・ω・`) w
「絶対に口説けない男がいる」と噂を聞いて興味半分で会いにいったジェネラルと被害者デスペさんのお話「一夜限りの関係」と割り切ったはずのお遊びから始まるかもしれない恋(´・ω・`) ?w。




「絶対に落とせない。」
噂を聞いて興味を抱いたその人物に会うために私は普段決して足を運ばないような小さな酒場の扉をくぐった。
メインホールは短い階段を下った地下に設けられているため、外装よりもずいぶん広い内部に少々驚くが、傷の目立つ汚い床や机、薄暗い店の照明、入る客の身なりは実に外装にふさわしく品がない。
この様な酒場に長いするつもりは無い、私は目当ての人物を探し人が一番集まっている場所へと足を向けた。
安い酒に酔った男たちの罵声が飛び交うその中心に目当ての人物を確認する。
今、目の前で行われているのは金の無い冒険者や町人が娯楽としている「決闘」という趣味の悪い遊びだ。
「決闘」と言えば聞こえはいいが、実際には安全なルールに守られている決闘の真似事遊びだ。
目当ての人物はその遊びで名の通る人物らしいが私にはそんな事はどうでもいいことだった。
強いという噂と一緒に聞いたのが「絶対に落とせない」と言う面白い噂。
容姿はいいらしく、男女問わず誘いがあるのに誰一人として落とした者が居ない。
私はと言えば、興味がわけば誰でも口説いてきた、そして一度も断られたことが無い。
私に口説けない者は居ないと何時もの店でカウンターに座り、同じく店の常連となっている二人と話をしていると、情報通の店のマスターがこの酒場の事と一緒に教えてくれたのがこの男の事だ。
「金髪の軍人ね・・・マスターの言ったとおりすぐに解りましたね」
私は男たちの罵声の中で自分の耳にすら届かないほどに小さな声でつぶやく。
「口説けるなら口説いて来い」
と、悪戯な笑みを浮かべて言ったマスターは酒場で一番人の集まる場所に行けば目立つからすぐに解ると話してくれた。
オレンジ色なんて珍しい色の軍服の軍人は確かによく目立つ。
「わぁー」と、上がる歓声の中対戦相手に両手両膝をつかせた軍人は不機嫌そうに立っていた。
満足のいく戦いが出来なかった事に苛立っている、そんな様子だった。



「お強いですね」
決闘をきりやめ席についた彼に私は人のいい笑みを浮かべて近づく、こんな事は少なくない様で彼は気にも留めず酒に手を伸ばす。
「ルールに守られた戦いで強くても実戦で使えなければ意味がない」
彼の外見から想像したように彼も又私と同じ天界出身の軍人らしい、戦争の無いこの大陸で戦う事のみを教え込まれた彼が行き着いたのがこのルールに縛られた遊び、「決闘」だったのだろう。
そして、ルールに縛られ戦いしか出来ないこの環境に苛立ちを感じている。
「貴方にとってこの大陸での生活は退屈でしょうか?」
私の言葉に彼はこちらを見る事無く口を開く。
「あんた、その身なりからして貴族だな?俺たち軍人と違ってさぞいい暮らしをしていたんだろ、軍人はな戦う事を奪われれば何も出来ない無能の集まりだ」
貴族に対する嫌悪と共に告げられた言葉に私は苦笑いをもらす。
「いい暮らしですか・・・幼い頃はそうだったのかもしれませんね、でも私はほら、この通り今じゃ天界を終われこの大陸で生活をしていますよ」
私の言葉に相変わらず目を合わせないまま男は口を開いた。
「どうせ、市民の怒りでも買って天界を終われたんだろう」
隠すことの無い敵意に私は再び苦笑いをもらしあの日の事を思い出すと自然と眉間に力がはいる。
「私を裏切ったのは国です」
その言葉に、初めて彼は私を見た、私の目をまっすぐに覗き込んだかと思えばつめたい笑みを浮かべる。
「なら、国に使える軍人が憎いだろ」
私は彼を見て、小さく笑う、彼はそんな私の行動が意外だったのだろう怪訝な表情を浮かべた後には毒を抜かれたように先ほどまでのギラギラとした好戦的な光はその瞳からは消えた。
「憎く無い。と言えば嘘になりますが仕方が無いことですし、それに私は意外とこの大陸の生活が気に入っているんですよ」
いつ殺されてもおかしくない、それは権力のある貴族でさえ同じことだった、私が命を狙われたのも当たり前の出来事なのだ。
「・・・こんな大陸の生活に馴染んでいる奴が誰かを強く恨んでいる何て考えた俺が馬鹿だったな」
言いながら彼は再び酒に手を伸ばしていた。
私はそんな彼の態度に苦笑いをもらすと再び口を開く。
「この大陸の生活は貴方が思うほど悪いものではありませんよ?」
私への興味が無いと態度で示すように彼が何も返さず静かに酒を飲んでいるのを確認すると、私はウェイターにこの酒場で一番高いが質の悪い酒を一杯オーダーする。
それを見てまだ席を離れる様子の無い私に目の前の軍人は見て解るくらいに嫌そうな表情を浮かべた。
「あんた・・・」
「ラルです」
彼の言葉をさえぎって口を開くと彼は思ったとおり怪訝な表情を浮かべていた。
「私のことはラルと呼んで下さい、貴方の名前も聞かせていだけますか」
私の申し出に、彼は先ほどと同じ表情を浮かべ私を睨んでいた、私のいく酒場にはこういうタイプの人物は足を運んでは来ない、今までに私の周りにいなかったタイプだが、からかうと面白そうだと直ぐに思いついく。
私の言葉に、目の前の軍人は想像通りの反応を見せる、それが可笑しくてたまらなかった。
目の前の男は単純そのものだ。
裏も表も無い、自分の感情も隠そうとはせずそのまま私の期待する反応を返してくるのだ。
「あんたの名前を覚える気も無いし名乗る気も無い」
素っ気無い返答にも私は笑顔で返す。
「名乗られても名乗り返さないのですか?軍人にも礼儀にかけた方はいるものなのですね」
私の態度に自分をからかっているのだと理解したのか目の前の軍人は目を細め口を開くが、私はそれを見計らって再び彼の言葉をさえぎった。
「ねぇ?貴方はこの大陸の生活に退屈しているようなので私が楽しい事を教えて差し上げましょうか?」
反論を許さず話を進める私の態度に彼は「断る」と怒りに任せ低い声で短く返すと手にしていた酒を乱暴に机に叩きつけると立ち上がろうとする、そんな彼の腕を私がしっかりと掴むと先ほどよりも更に強い怒りの表情を浮かべた。
「離せ」
彼の攻撃的な態度にも私は自分のペースを乱さず笑顔のまま再び口を開いた。
「そう警戒しないで下さいよ?単なる遊び、気まぐれです気楽にいきましょうよ、ねぇ?グンジ」
含みを持たせ彼本人からは告げられていない名前で呼べば彼の眉間に深いしわが刻まれる。
と、同時に腕に力が込められるのを感じると私は、そっと両の手を添えて彼の指先に手袋の上から軽い口付けを落とす。
鼻先を懐かしい天界の臭いがくすぶった、火薬と血の臭い、それを誤魔化すかのように混ざっていたのは微かなタバコの香りだった。
直ぐにでも罵声が耳に届くとばかり思っていた私の耳にはグンジの声は届かず、様子を伺うため私は余裕を思わせるために笑みを浮かべ顔をそっと上げる、目の前では予想もしていなかった戸惑った表情で私を見ている男が立っていた。
あまりにも初々しい反応、私の周りに集まる人はこんなにも素直な反応は返してはくれない。
今まで乱暴に誘われることはあっても、私の様な回りくどく、冷静な状態で見れば笑えてしまうようなこんな誘いを受けたことが無いのだろう。
落とせないと聞いたからには落としてみたいと、プライドから行動に出ていた私だったが、この瞬間にはこの男に対する興味から、この男を口説いてみたいと感じた。
もちろん、本気ではない、どちらかと言えばこの男は私の「タイプ」ではないのだ、綺麗ではあるが目の前の男は攻撃的過ぎる私はもっと「従順で素直な扱いやすい」子が好みではある。
が、こんな事でも簡単に戸惑う初々しさが新鮮で愛おしくも思えた。
「ッ!」
言葉も無く、グンジは私の腕を振り払おうと力を込める、私は笑顔のままそんなグンジの目を見つめ再び口を開く。
「この様に誘われるほうがお好きですか?」
言いながら指に指を絡めれば更に戸惑った表情を作るが今度は精一杯に凄んだ声が耳に届く。
「冗談じゃないっ!手を離せ俺はあんたと遊んでる暇は無いんだ!」
目の前で戸惑う大の男を前に私は今まで何人にもして来た様に、優しい声色で愛し気に次の言葉を囁いた。
「少しでいい、私に貴方を過ごす時間を下さい」
「ッ!!!断るっ、俺は女じゃないんだ、そんな言葉を並べられても気色悪いだけだヤメロッ!」
戸惑うグンジに更なる追い討ちをかけようと私は、必死に私の視線から逃れようと目をそらすグンジをしっかりと見つめたまま再び口を開いた。
「えぇ、解っています・・・、ですが私が出会ってきたどんな異性よりも貴方は愛おしい、その綺麗な金色の艶やかな髪も、ガラスのように美しい緑色の瞳も私の心を捉えて離さない」
歯の浮く様なクサイ台詞を口にすればするだけ、グンジの表情は戸惑いの色を濃くする、それが可笑しくて私は慣れた誘い文句を一つ口にする度に笑い出してしまいそうになるのを必死に抑えていた。
居た堪れなくなったグンジは力任せに私を振り払いにかかるが、私は絶妙なタイミングでそれを流してみせ、一瞬の隙をつき一気に引き寄せる。
「私に貴方と一夜を過ごさせて下さい」
息がかかるほどの距離で耳元でささやけばグンジは更に抵抗を強めるが、冷静さを失い暴れるだけでは私を振り払うことは到底不可能だ。
「離せっ!もうやめろっ!!」
その言葉に私は小さく笑みを浮かべゆっくりと口を開く。
「貴方が私の願いを聞き入れてくれるなら、お望みどおりに」
パニックに陥ったグンジは「解ったから離せっ」と叫ぶと、次の瞬間には自分が口にしたとんでもない言葉に我に返り私の様子を伺う。
子供が見せるような不安な表情にも似ていた、私はそんなグンジをまっすぐに見つめたまま優しく微笑むとゆっくりと腕を離した。
「交渉成立ですね」
私の言葉にはじかれるように先ほどまでの不安の表情は消え今にも噛み付いてきそうな表情でグンジは私を睨み付けたが、目を伏せると一つ深いため息を吐き出すと同時に「好きにしろ」と呟くとそれ以上私を見ようとはしなかった。
グンジにとって、一度了承た事実を取り消す言葉を口にするのはプライドが許さないのだろう、たとえ納得していなかったとしてもだ。
「はい」
笑顔で返すも、グンジは私を視界には納めていない、そんなグンジの不機嫌そうな声が耳に届く。
「一つ聞きたい、どこで俺の名前を?」
グンジのそんな質問に私は小さく笑いながら返答する。
「行きつけの酒場で貴方のことを聞いたんですよ」
私の返答にグンジは全く興味を示さず相変わらず不機嫌そうに私の目の前に立っていた。
グンジにとって、私がどこで名前を聞いたのかは問題ではなかったのだろう、自分をはめた男に一方的に名前を知られていた事実が気に入らなかった、ただそれだけのことだ。
私は温くなった安い酒を一口味わうと再びカウンターへと戻す。
「私の行き付けのホテルへ案内しますよ、そこで美味しいお酒をご馳走しましょう」
グンジの丸く見開かれた目にやっと私の姿が映る。
「別にそこらの路地裏あたりで済ませればいいだろ」
グンジの言葉に私はガクリと肩を落とし苦笑いを作る。
そんな雰囲気の無い場所は、たとえ遊びであってもお断りしたい。
「言ったでしょう?私は貴方に楽しい事を教えて差し上げると」
私の言葉にグンジは再び感情をかくさずに言葉を続けた。
「あんたに何も期待はしてない、さっさとすませて開放してくれたらそれでいい」
了承はしたものの、好戦的な態度は一向に変わらない、はめられた事への怒りもあるが私の様な男に自分のミスから好きにされるのが許せないのだろう。
決して「可愛い」とは言えないが今日は「面白い」男を拾ったと私はホテルについてからどの様にこの男を口説きにかかろうかと店の扉をくぐりながら思案する。
ただ、「抱く」だけでは、落とせたとは到底言いがたい。
自分に心を向けさせなければ意味が無い、自分を拒む相手を無理に組み敷くのは私の美学に反する。
プライドが高く、人を強く拒んでいる様に思えるグンジだが、そういったタイプこそ実は落としやすいと私の経験から解っている、人を拒む分自分への好意に免疫が少ないため、偽りの愛情であっても簡単に錯覚してしまい時には本気にする者もいるが、グンジは依存するタイプでは無いだろう。
口説く手段を考えながらもグンジを退屈させないようにいくつか話を振ってみる、その度に不機嫌そうな短い返答だけが返って来た。



☆あとがきーーー☆
長くなりそうなので分けてみることにした(´ノω・`*)

本気の恋はめんどくさいからしたくない、だけど誰かを愛するのも愛されるのも好きだから一夜限りのお遊びで満足する毎日を送るジェネさん*1
一方、荒くれ者が集まる酒場で何人に口説かれようとも(強要されようとも)人を拒み続け一人で生きてるデスペさん。(のわりに、あっさりOKになったけどキニシナイー)

こんな寂しん坊な二人が一夜限りの関係を持ったらどうなるのかなーっていう、妄想が走り出しました・x・

相変わらずのジェネのウザさは目をつぶってくださいw(てか、むしろ気持ち悪くてすいません・・)
クサイ台詞を口にしても様になる自分によってればいい・・・w
クサイ台詞も恥ずかしげも無く口に出来るほど自分に魅力を相手は感じてるのだと思えばきっと・・・このキモチワルイナンパ師も受け入れられてきたのです・・・。
(書いてて痛かったけど・・・ナンパって変なイメージしかないんだもん・゚・(ノД`;)・゚・どうしてもこうなるw特にジェネだと)(されたことも無いからこうなるんだろうけどね)・x・!

ちゃんとこの後のことも続けて描いていこうと思ってる(´ノω・`*)
いつになるかは知らんけど・・・(´・ω・`)
見てる人がもしいたら、待っててねー・゚・(ノД`;)・゚・w

*1:ノ)。・ω・。(ヾ