夜森の温泉(ジェネバージョン

ジェネラル×デスペです。
ジェネさんが非常にウザイですそしてセクハラだいまお(ry
それでもOKな方はどうぞ☆
青い月の光のみがアラド大陸の森を照らす、月の光を頼りに羽付き帽子の男が口笛でも吹きそうな足取りで森の奥へと進む。
男は天界でも指折りの貴族だった、銃の腕も確かで何よりも銃弾事態に属性を与え戦うスタイルは珍しく、他のガンナー達の中でも噂になっていた。
そんな男が天界からこのアラド大陸にやってきたのはいつ頃かは誰も知らない。
誰よりも信頼していた者に裏切られ追われる身となった男はこの大陸にやって来たと言う。
そんな過去からか彼は本名を名乗らず偽名を使っていた。
「ラル」自分の職業から付けた物だ。
この大陸にやって来てもラルは簡単に確かな地位を手に入れ、またたく間に名の通る冒険者となった、それは性格からでもある。
この男には友人と呼べる者は一人しかいない。
同じ天界からやって来たビジュと言うランチャー。
酷い自信家である彼とまともに話を進める事が出来るのは友人でもあるビジュ位だろう。
本人は自分の眩しすぎる魅力に周りが近づけずに居るだけだと言いきっている始末だ。
そんな彼が夜遅くに森の奥へと足を運ぶのはその友人のためだった。
数日前、ビジュは依頼を受け何時ものように狩りへと向かった、危険なダンジョンへ迷い込んでしまった子供を救出して来てほしい。
そんな依頼を受け帰って来た彼の背中にはえぐられた様な酷い傷があった、恐怖で動けなくなった子供をかばったがために出来た傷だと話していた、「子供の方には怪我はなく無事に帰って行きましたよ」と、笑顔で話していたビジュを思い出しラルは小さなため息をはく。
「あの人はどうしてもっと自分を大事に出来ないんでしょうね?」
誰に言うでもなく独り言のように呟きながらも足は止まることなく真っ直ぐに森の奥へと向けられる。
ビジュの傷は酷く重火器を背負い歩く彼の動きは目に見て解るほどに鈍くなっていた、そんな友人に医者を進めたが今はお金が無いの一言で返されただけだった。
治療代を貸す事も考えたが彼の性格からしてそれは受け入れないだろう。
取りあえずは自分もよく使う薬を手に入れ、この大陸ではよく手に入る簡単な薬だと嘘を付いて渡したがそれでも未だ、完治には至らない傷を心配して色々な情報を集めた処「傷によく効く温泉がある」と、噂を耳にした、自然に出来た森の奥にある温泉だと言う事で断られる事はまず無いだろうと考え、確かな情報なのか、正確な位置等入念に下調べを行った上でほぼ確信をへて今その場所へと足を運んでいた。
効能に関しては間違いないだろう、成分を調べた者がいた。
場所もほぼ特定出来ていた、ただ目ではっきりと確かめないと気が済まないのだ。
ラルは狭い木々の間を長いマントを器用にひっかける事もなく服には泥一つつけずに歩いていた。
「ふむ」
ラルは足を止め、口に指をあてがいながら小さくつぶやく。
目の前には想像していたよりも大きな温泉があった。
人が入れる温度か、冷た過ぎはしないか、熱すぎる事は無いか調べようと足を踏み出したところで人の気配に気づく。
ほぼ同時に相手もラルに気付いた様で一瞬空気がピンと張るのを感じた。
「こんばんわ、お邪魔してすいませんね」
敵意は無い、声色からそう読みとったのか相手は無言で湯に身を沈めた様だった。
金色の綺麗な髪が水面に揺れるのを確認する。
湯気の中に見える姿は霞んではいるが女性にしては少々骨ばっている様で男だと確信する。
「湯加減はどうですか?」
湯に触れた後湿った手で再び手袋をはめる事を考えると少し嫌な気がしたのでラルは目の前の男に尋ねてみた。
「入ってみれば解るだろう?」
そっけない返事にラルは苦笑いを漏らした。
「怪我をした友人に紹介しようと来たのですが、どうも私は他人が入った湯に身を沈めるのも触れるのも多少抵抗がありましてね」
ラルの言葉に鼻で笑うように男が返した。
「ずいぶんとお高くとまってるんだな?で、自分は入れないのに友人には勧めると?」
ラルは言われながら温泉のそばまで足を進める。
「友人はそういう事は気にしないのでね、それに温泉につかれるとなればきっと喜ぶと思います」
男の嫌みには一切触れずに反したところで男は気にした様子もなく再び口を開く。
「ほぅ?実際湯加減と言っても人それぞれだろう?」
返って来た言葉にラルはなるほどと小さくうなずく、ビジュは熱さには強い方だろうと考えた処で目の前の男に目をやる、近づいた事ではっきりと見えるようになった男はのぼせている様だった。
自分が来た事で出るタイミングを失ったのだろうとラルは小さく笑った。
「私はラルと言います貴方は?」
突然の名乗りに男は眉間にしわを寄せた。
「は?何故お前に名乗らないといけない?」
十分に警戒されている様子だった。
そんな状況にラルは目を細め小さく笑った。
「名乗られても貴方は名乗らないと?」
笑いを含んだ声に男は眉間にしわを寄せつつも渋々といった様子で口を開いた。
「グンジだ」
「いい名前ですね」
未だにクスクスと笑う男に反論する気も無くなったのかグンジは背を向けたまま静かな怒りを伝えた。
そんなグンジの様子をさらに楽しそうにラルは見つめながら口を開く。
「そう警戒しないで下さいよ?少しお話でもして仲良くなりませんか?」
「俺はお前の様なタイプの人種は嫌いだ」
すぐに返された言葉にラルは可笑しそうに笑った。
「のぼせてたりしませんか?首筋が赤くなってますよ?」
返事は無かった。
「いつまでも浸かっていると湯でタコになりますよ?」
隠す事もなく笑いながら告げた言葉にグンジは予想通り噛み付いてきた。
「十分に温まってから上がるつもりだ、様が済んだのならさっさと行け」
すでに赤くなっているグンジを見ながらラルは可笑しそうに笑う。
「無理をしない方がいいですよ?男同士隠す事も無いでしょう?倒れられては迷惑ですし」
言葉にはじかれるようにグンジは勢いよく立ちあがった。
「じっと見られていては出にくいのはあたりまえだろ・・・っ!」
勢いよく立ちあがった事で目眩がしたのだろうグンジは二歩ほどヨロヨロと後退した。
「倒れられては大変ですしね、心配で見てたんですよ?」
心にもない事を口にしながらラルは悪戯に笑った。
「は?そんな親切な人にはみえないな?」
嫌みで返したところで目の前に立つラルは楽しそうに笑うばかりだった。
服を着ようと考えた処でふと気付く、服はラルの足元にあった、わざとそこに立っていたのだろう。
眉間にしわを寄せながら近寄ると悪戯っぽい笑みを浮かべたラルが口を開いた。
「綺麗ですね」
突然の言葉を理解出来ずにグンジはラルの目を見る、深い緑色の瞳が自分の姿をしっかりとうつしていた。
「細い体ですがバランスのとれた綺麗な筋肉をしている、私に負けず劣らずのバランスですよ」
「っ!?」
一瞬恐怖にも似た感情に言葉を奪われる。
「ただ細いだけでもない綺麗な体です、傷が多いのが残念ですが」
ゆっくりと品定めでもするような視線に吐き気すら覚える。
ここで恐怖を悟られては目の前の男を楽しませるだけだと平静を装って口を開く。
「は?人の体をジロジロと見たり、自分の事を話したり変態でナルシストか」
言われた言葉にラルは楽しそうに笑って返した。
「十分自覚はありますよ、ですが私ほど美しいとやはりそうなるのは必然でしょう?変態じゃないともいいきれませんしね」
グンジはとうとう言葉を失った視線から逃れたいと思うのに得体のしれない恐怖から体が動かない。
「おや?」
言葉と同時に右太ももへとラルの腕が伸びる。
「こんなところにも傷がいったいどんな時に付いた傷なんでしょうね?グンジ」
「っ!このっ!」
触れられた瞬間反射的に体が動き膝で蹴りあげようとするが足に絡みつく湯の重みで遅くなった蹴りは難なくかわされてしまった。
同時にバランスを崩した体を岩へと押しつけられる。
「ほら、のぼせるまで浸かってるから足元がふらついてしまうんですよ?」
勝ち誇ったような笑みで告げられた言葉にグンジはラルを睨みつける。
「離せこの変態っ!」
「倒れそうになった貴方を支え様とした私を変態扱いするんですか?ほら貴方のせいで靴も濡れてしまった」
心外と言った調子で話すラルだが表情は楽しそうだ。
「靴が濡れたのは自業自得だろう!」
殺気に満ちた目で睨みつけたところでラルは余裕の笑みでグンジを見る。
「いい表情ですね」
その言葉にさらに怒りがこみ上げグンジは無言のままラルを睨みつけた。
「あぁ、その髪も綺麗だ、真っ直ぐと伸びた艶やかな髪」
グンジの髪に指を絡め髪に軽いキスを落とす。
「触るなっ!」
カチッという音とともにラルのホルスターから素早く抜かれた銃が持ち主へと向けられた。
ラルには解っていた、殺気は多少あるものの今向けられている銃口は威嚇の意味でしかない事を。
小さく笑うのと同時に銃を握った腕を押さえつけ顎を掴み素早く唇を奪う。
「っ!!!!!」
瞬間にグンジはこの男を早々と打たなかった事を後悔する。
振り払おうと力を込める腕も相手の力に押され動かす事が出来ずただ空しく震えるのみだった。
噛み付く様な乱暴なキス、唇が離れるのと同時に怒鳴りつけようと開いた口に再キスが落とされ侵入してきた舌に口内を犯される。
「っう・・んん!!」
瞬間グンジの中で何かが音をたて切れた。
ガウンッ!
けたたましい音を立て銃が鳴いた、銃口からは煙が上り再び辺りは静まり返った。
怒りにまかせて振り払った腕で狙いも定めないまま引き金を引いた。
銃弾は夜の闇へと呑まれていった。
「残念でした」
笑いながら離れるラルに狙いを定めようとしたところでグンジは気付く弾はもう残っていなかった、慌てて銃を投げ捨て自分の服の下に隠しておいたリボルバーを握り顔をあげるがもうそこには男はいなかった。
怒りで体が震え冷静さを保てずに居る。
服を着ると、グンジは殺すと叫びながら男が消えた方向に走り出した。

その背中を見送りながらラルは笑っていた。
「隠れてただけなんですけどね〜?」
投げ捨てられた自分の銃を拾い上げホルスターにしまい込む。
自分の命と同じくらいに大事な銃を置いて行ける訳がないとラルは小さく笑いながらグンジが走って行った方向とは逆へと足を向ける。

数日後お互い時間が取れた日にビジュにラルは温泉の噂を何時もの調子で語っていた。


☆あとがき☆
ブラスター×デスペラードの話のジェネさんバージョンを描いてみたら。

ブラさんの話よりエロくなった(´゚д゚‘)
2次ジェネのなせる技です(ぁ
2次ジェネは変態であり計画的なナルシストであれ!
好きなCPはブラスター×デスペラードなのになぜかこっちの方が先に進んでしまいました・・・(無理やりですが
別に続き物でもないので、この話はここで終わります!