思い出

猫好きな1次とその姿を目撃しちゃったブラスターのお話(´ノω・`*)
猫が嫌いだと言い張る1次の過去をブラ君が聞いてあげるお話し?(。・ω・。)
1次が猫にメロメロキュンキュンvv
なんて話でもないのでキャラ崩壊しすぎではないと思う(。`・ω・´。)ワラ
(猫にメロメロキュンキュンな1次ちょっと私的には見てみたい気もするけどねww)




ビジュは小さな鳴き声に足を止めた。
声の方に視線を向けると、この雨でずぶぬれになった小さな子猫が一匹震えている。
人間に捨てられたのだろう、ダンボール箱に入れられ中には新聞紙が敷かれている。
他にも兄弟が居たのか、子猫一匹にしては随分と大きなダンボールだった。
小さな子猫は一匹でその中で寒さと恐怖に震えていた。
母親を探すように必死に鳴き続ける子猫の声は痛々しい。
ビジュが近寄ると子猫の瞳は不安そうに揺れる。
「困りましたね・・・」
動物を安易に拾う事は出来ない、だからといってビジュにはその小さな命を見捨てる事も出来ずに居た。
家には同居人も居る、勝手に連れて帰るわけにもいかずビジュは手に持っている傘をそっとダンボールの上へとかざす。
「すいません・・・私には貴方を連れて帰れないんですよ、いい人に拾われて下さいね」
雨だけでもしのげれば未だこの子には可能性がある気がしていた。
傘を預ける事で罪の意識が少し和らぐ気さえしていた。
ビジュは小さくため息を吐くと雨の中を急いで駆け出す。


「ミューミュー」
数分後再び同じ場所に訪れると相変わらずか弱い声が耳に届く、ダンボールの上にはビジュが残した傘が未だ残っていた。
側には見慣れた軍服の男の背中があった。
「グンジ・・・?」
見知ったその男が小動物に興味を抱くとは思ってもおらず思わず声をかけてしまった。
名前を呼ばれたグンジは驚いたのか慌てて振り返ると罰の悪そうな表情を作る。
近づいてみればその手にはミルクの入った小皿があった。
側には買って来たのだろうか開けられた牛乳パックと子猫用のキャットフードが置かれている。
「猫・・・好きなんですか?」
意外なグンジの姿に思わず笑みがこぼれる。
弱い者に対して興味を抱かず、平気で踏み殺して行きそうな男でもあった。
最初に出合った頃のグンジはまさにそのまま実行しかねないほどだ。
この数年間でグンジは少し変わった。
それでも、極端に変わったわけでは無い、弱者に対しての仕打ちは今でもあまり変わらない。
少なくともこうやって世話をやく姿は想像できなかった。
グンジは目を合わせずつぶやくように口を開いた。
「猫はバカで弱いから嫌いだ」
返答にビジュから苦笑いがもれる。
「そうですか・・・・」
ビジュは手に持っていた薄めの毛布を広げると、警戒する子猫をゆっくりと片方の腕で拾い上げ、これ以上体が冷えないようダンボールの底に敷いてやる。
そっと毛布の上に戻すと子猫は慣れない匂いに鼻を「スンスン」とならし確かめていた。
しばらく前足で引っ張ったりしていたが、落ち着いてきたのか子猫は毛布の上で体を丸め、ビジュたちを見上げ再び小さな声で鳴き始めた。
「寒いでしょうね」
ビジュの言葉にグンジは「だろうな」と一度小さく返すとキャットフードを毛布の上に置く。
「あぁ、そうですグンジ一つ忠告が」
見られたく無い姿を見られ少々苛立った様子でグンジは「何だ」と言いた気な表情でビジュを睨む。
「子猫に牛乳は危ないですよ、お腹を下す危険もありますし酷いときでは脱水症状を起こして死んでしまう事もあります」
言葉にグンジは驚いた表情を作り一度子猫に視線を移す。
「そうか・・・・」
グンジの様子にビジュは小さく笑い、再び口を開く。
「この子連れて帰りますか?」
言葉と同時にグンジは立ち上がり歩き出してしまった。
「誰が面倒を見るんだ?朝と夜意外は殆ど家を開けているんだぞ」
言葉にビジュは苦笑いを作る。
グンジの言うとおりだった。
つい目の前の友人の姿にほだされ軽はずみな発言に罪悪感を抱く。
「そうですね」
きっと、すぐに優しい人に拾われだろう、そう言い聞かせビジュはグンジの後を追った。



三日たつとその猫はダンボールだけを残し姿を消した。
三日間ビジュは毎日子猫の様子を覗きにいっていた。
そのたびびに子猫は嬉しそうにダンボールの中からビジュを覗き込んでいた物だから少々寂しさも感じていた。
グンジも又同じようにビジュには黙って子猫の様子を見に行っていた、ビジュはそんなグンジの姿を数回あの場所で目撃していた。
子猫を見るグンジの瞳は優しく、それ以上に寂し気でもあった。
「あの子猫誰かに拾われたみたいですね」
食事をしながらつぶやかれたビジュの言葉にグンジの表情が曇る。
「そうだな・・・」
「どうかしましたか?」
グンジの様子にビジュが心配げに声をかけるとグンジは「いや」と小さく返すだけでそれ以上は何も話そうとはしなかった。
食事の間ずっとグンジの表情はくもったままだった。


数日後の晴れた日の朝、ビジュはグンジを連れ出し住宅街にある公園へと足を運んだ。
説明もなく、いきなり公園へと連れ出されたグンジは感情を隠さず不機嫌な表情でそれでも黙って公園のベンチに腰掛けた。
「昨日見つけたんですよあの子猫を、今日も又同じ時間に来るかは解りませんが」
言葉にグンジはビジュを見る。
「ミュウちゃんって呼ばれてましたよ、可愛い名前ですね」
グンジの表情が和らぐのがビジュの目にはしっかりと映った。
けれどその表情は直ぐに消え何時もの厳しい表情へと直ぐにもどってしまった。
「♀につけるみたいな名前だな」
言葉にビジュは首をかしげる
「あの子猫は男の子だったんですか?」
返答にグンジは困ったような表情を作り苦笑いをもらす。
「あぁ、そうだ」
ビジュは知っていた、自分以上にあの子猫を気にかけ様子を見に行っていたグンジの事を、本当は連れて帰りたいのではないかと思っていた。
でも、又軽はずみに「飼おう」とは言い出せずにあの子猫は何処かへ消えてしまったのだ。
「ミュウちゃんこっちこっち!」
小さな女の子の声につられ視線を園内に向けるとあの子猫が小さなご主人様の所へと元気よく走っていく姿が目に入る。
女の子の所へたどり着くと、その小さな腕に抱かれ子猫は嬉しそうに鳴いた。
「幸せそうですね」
ビジュの言葉返事を返す事もなくグンジは立ち上がり公園の外へと歩き出す。
『これで少しは安心できただろうか?』
考えながらそっと立ち上がりビジュもグンジの後を追い公園を出た。


二人で依頼を終え、疲れきった体で帰宅したのが日も沈んだ頃。
食事をしているとグンジは静かにビジュをにらみつけた。
ビジュはそこでようやく今日一日グンジの顔色ばかりうかがっていた事に気づく。
一日顔色を伺われ監視されているのは気持ちのいいものではないだろう。
一日を思い返しビジュは自分の行動を反省する。
「すいません」そう口にしようとした所で先に耳に届いたグンジの声に言葉を止める。
「昔・・・」
突然の事に不思議そうにビジュはグンジを見る。
グンジはそんなビジュに構わず話を続けた。
「未だ俺が小さなガキだった頃だ、野良猫を見つけたんだ」
同時にアーカードはあの子猫を思い出す、グンジはあの子猫にその猫の姿をかぶせていたのだろうかと考えながらグンジの話に耳を傾ける。
「最初は酷く警戒していて中々近づいても来なかった、でもガキだからそんな事気にせずに勝手に名前をつけて毎日会いに行ってたんだ」
迷惑だったろうなとつけたしグンジは寂しそうに笑った。
そんな姿を考えビジュは今とは随分とイメージの違う小さなグンジを思い微笑む。
「家に連れて帰ってもきっと親に叱られるだけだろうし、毎日自分の食事を残して野良猫に持っていってたよ」
今もグンジはあの子猫に変わらず毎日キャットフードを運んでいたのを思いビジュはグンジがあの子猫に寄せていた思いを確信する。
「その解もあってか野良猫は俺を見つけるとすぐに寄って来るようになったんだ・・・・・」
言いながらグンジの表情には影がさす、あまりいい思い出ではない様子にビジュはグンジを気にしながら話の先を待つ。
グンジは短くなったタバコを灰皿に押し付け新しいタバコに再び火をつけ一度煙を吐き出すと再び口を開いた。
「警戒心の強い猫だったのにな、俺のせいで人間に慣れ過ぎたんだ、何時もの様に野良猫に会いに行くと血を流して冷たくなったそいつが居たよ」
小さな子供にとってその光景はあまりにも残酷だっただろう。
グンジがあの子猫が消えて不安そうにしていた理由がようやくビジュにも解った。
小さな頃となればそれは天界に居た頃の話になるはずだ、天界では毎日の様に戦争が起こりそれに苦しみ苛立つ者が多く存在した、そんな中怒りの矛先が自分たちよりも弱い小動物に向けられるのはよくある事だった。
おそらくその野良猫はそんな者達の犠牲になったのだろう。
「きっと遊んでもらえると思って近づいていったんだろうな」
言いながらグンジは再び寂しそうに笑う。
ビジュはそんなグンジの様子にゆっくりと口を開く。
「そんなの・・・貴方の責任じゃありませんよ・・・」
思ったことを口にすればグンジは更に寂しそうな表情を作りゆっくりと首を振った。
「俺があいつの人間に対する警戒心をうばったんだよ、猫はバカだから他の人間も遊んでくれるとおもったんだろう・・・」
言葉にビジュは子猫を見つけた日のグンジの言葉を思い出す。
「バカで弱いから嫌い」
その言葉の意味は単に猫を嫌った言葉ではなかった。
グンジは自分が考えていたよりもずっと猫が好きなのだとビジュは思う。
猫が好きだからこそ過去の辛い経験を悔やみひきづっている。
グンジが今も許せないのは、猫の命を奪った当人でも、警戒もせずに近づいった猫でも無く、野良猫の警戒心を奪った幼い頃の自分。
又同じ過ちを犯してしまったのではないかと、不安になりそれでも、あの子猫をほって置け無かった程グンジは猫が好きなのだろうとビジュは不器用で優しい友人に気づかれないよう一度小さく微笑み口を開く。
「グンジが居なかったらきっと子猫はあのまま雨にうたれて死んでいましたよ」
グンジはビジュをみて苦笑いを作る。
タバコの灰を灰皿に落としながらグンジは小さく笑った。
「俺が居なくてもお前が居ただろ」
返答にビジュはゆっくりと首を振って返した。
「私はあれ以上あの子猫に何かをしてあげるつもりは無かったんですよ?餌も水もなければあのまま衰弱していったはずです」
グンジはそんなビジュの言葉を鼻で笑って返す。
「お前は見捨てれなかったさ」
ビジュが再び首をゆっくりと横に振るのを確認するとグンジは不思議そうにビジュの表情を覗き込む。
「グンジ?私は貴方が思っているほど優しくはありませんよ?意外と残酷なものですよ」
言葉にグンジは驚いたような表情を作り、次には少し柔らかな表情を作った。
「お前が思っているほど残酷でもないさ」
返答にビジュは困ったように小さく笑って返すだけだった。
実際ビジュはあれ以上子猫に関与するつもりはなかったのだ。
グンジが猫を気にかけていたのを知ったからこそ毎日様子を見に行くようなっていたのだ。
その間に多少の情が移ったのも事実ではあった。
目の前の男はどうもビジュを買いかぶりすぎている、しかしいくら否定の言葉を返してもこの男はそれを信じたりはしないだろう。
「あの子猫私たちを最初に見たときは酷く警戒していましたよね」
短くなっってきたタバコをくわえたままにグンジは起用に短く「ああ」とだけ返す。
「子供は敏感ですからきっと、警戒する猫を拾ったりはしなかったと思いますよ。あの子猫を幸せにしたのは間違いなくグンジ自身だと私は思います」
言葉にグンジはバカらしいと言いたげな表情を作りビジュを見る。
吐き出された煙がゆっくりと天井へと昇っていく。
「あの頃の俺は小さなガキだったが構わず野良猫にちょっかいをかけていたぞ」
グンジの言葉にビジュは小さく笑って返した。
「子供は大胆なくせに敵意には意外と敏感なんですよ?グンジは少々怖いもの知らずな所がありますからね、子供の頃もそうだったんじゃないですか?」
言葉にグンジは目を丸くしビジュを見る、ビジュはそんなグンジの様子をみて再び小さく笑った。
少し考える様なそぶりを見せたかと思うとグンジも次には小さく笑って返す。
「ああ・・・そうだったかもな」
「そうですよ絶対」
返答にグンジは困った様に笑ったがそれ以上言葉には出なかった。
グンジの過去の罪の意識が薄れる事は無いのかも知れない、それでもビジュは子猫が幸せになるきっかけがグンジのおかげだと少しでも思えたなら目の前の友人がこれ以上悲しい過去を思い出さずににすむのかもしれないとタバコの煙を吐き出す姿を眺めながら考えていた。
「ねぇ?グンジ何時か猫を飼いましょう」
不意の言葉にグンジが怪訝そうな表情を作る。
「誰が面倒をみるんだ」
予想していた返答にビジュは嬉しそうに笑った。
「二人でですよ、依頼の合間にでも帰ってくる事は出来るじゃないですか。」
ビジュの提案に相変わらずの表情でグンジは口を開く。
「そんなに飼いたいのか?めんどうなだけだろ?」
面倒を見ないとは言い返してこないグンジにビジュは再び言葉を返す。
「えぇ、可愛いじゃないですか癒しにもなりますしね二人で面倒をみれば大丈夫ですよ」
グンジは「好きにしろ」と返答すると立ち上がり部屋を出て行ってしまった。
背中を向けたグンジが嬉しそうに小さく笑うのを確認するとビジュは新しく迎える家族を考えウキウキと食器を台所へと運ぶ。


★あとがき★
何が書きたかったんだろ・・・・w
猫好きだけど表には出さないっていグンジをかきたかったんだけど(´・ω・`)
何かくらくなったぞーー!!?w
1次は猫が好きだと思うでも決して親バカではないww
しかし家に二人っきりだと凄い可愛がってたりしたらいいなっ・・・w

猫が好きだけど嫌いってそぶりをしてるグンジをかこうとしたらこうなった(・ε・`*) ;
あとビジュ、グンジの事友人って書いてるけど好きだと意識してるのだと思う(´・ω・`) w
好きな人の意外な一面をみて「かわいい」と思ったり、ひきづってる過去から助けてあげたかったりと奮闘(。`・ω・´。)
ビジュは絶対グンジに優しいのです(*´ω`人´∀`*)
猫が飼いたいというのもグンジが好きな猫を世話して幸せそうにしてる姿をみたいからだt(ry

あと、散々猫をバカだとか書いてごめんなさい!;;
本心バカだとはおもってませんからね!;x;?
許して。:゚(。ノω\。)゚・w