戦火

アラド大陸ではなく、天界の生活の話(。`・ω・´。)
帝国と1次の物語で気力が続く限り続き物にします+。:.゚ヽ(*´ω`)ノ゚.:。+(自分飽きやすいんだなー・・・
後々BLになっていく予定だけど、まずは出会いという事で1次はまだまだ小さな少年んです、なのでBLにしちゃうと帝国が犯罪者になるのd(ry
後々親子っぽいのほほんとしたお話になっていくといいなーって思います(。`・ω・´。)
シリアス?っぽさも書きたいですが(〃ω〃)
しょっぱな暗いです・・・w
まずは、帝国と1次の出会いから(。`・ω・´。)




目の前に広がる景色は地獄の様だった。
多くの人が暮らしていた街には赤い炎がゆらゆらと揺れ、並んでいた家々は原型を失いかすかに墨となった柱が燃え広がる炎の中に立っているのが見れた。
人の遺体が至る所に散らばり苦痛に耐える唸り声が時々耳に届く。
綺麗な街だった、メイン通りでは商人が店を並べ呼び込みをする声が響き、広場でははしゃぐ子供達の声がいつもあった。
歩行道路には沢山の木が並び季節事に街の人々を楽しませていた。
そんな豊かで美しい街が一瞬で消えてしまう姿を私は何度も見てきた。
いつも私はその中心に居た。
戦火はいつも豊かな街へと降りそそぐ、わたしはその中心で指揮を取り敵の領地に踏み入る。
見慣れた光景、心が痛まないわけではない。
その街に暮らす者達に生活があるように私にも守る生活がある、守りたい街があるのだ。
勝利を収め私はそんな見慣れた景色を眺める。

炎の上がる中小さな影を見つけた。
やけ崩れた家なのだろう、幾重にも折り重なった墨の塊の前で小さな少年は立っていた。
家と家族を失い途方にくれ泣いている者を私は何度も見てきた、けれどもその少年はそんな見慣れた景色とは違っていた。
少年は涙を流すでもなく、絶望に震えるのでもなくそこにしっかりと力強くたっていた。
少年には似つかわしくない怒りのこもった瞳が瓦礫をしっかりと捕らえていた。
「家族を・・・待っているのですか・・・?」
後ろから声をかけても少年はふりむきもせずゆっくりと首をふる。
ショックから声を失ってしまったのだろうか?
一歩ずつ少年に歩み寄る、少年は気配でそれを感じている様子ではあったが動こうとはしなかった。
「家族はこの中に?」
横に立ち少年を見下ろし言葉をかける、少年は相変わらず真っ直ぐに瓦礫をにらみつけたままだった。
「皆焼けたよ」
短く、ハッキリとした口調で告げられた言葉。
私は少年の目線までしゃがみ少年の見る先へと視線を移した。
視界には相変わらず赤と黒の世界が広がっているだけだった。
「遺体をここへ運びましょうか?」
少年へと視線を戻しながら告げた言葉にも少年は顔色一つ代えずに再び口を開く。
「どうして?」
返答に私は返す言葉を失い黙ったまま少年を見ていた。
戦争で家と家族を失った子供の生存率はきわめて低い。
大抵家や家族の側から離れる事が出来ずそのまま広がり続ける炎に飲み込まれてしまうからだ。
何度もそんな子供を見てきた、だからといってそんな子供達一人一人に手を差し伸べるわけにも行かない。
大抵の軍人は責任をとるためにその小さな命が炎に焼かれてしまう前に出来る限り苦しまない様急所を銃で打ち抜く。
「ここに居ては貴方も死んでしまいますよ?」
私の言葉に少年は小さく一度だけ頷いた。
表情は変わらない、目の前の少年は死を覚悟してなおも恐怖に怯えてはいなかった、わずかに生き残った大勢の人々がうめき泣き叫ぶ中、その少年の存在は異質にも感じた。
私は少年の頭を一度軽く撫でるとゆっくりと立ち上がり腰にまきつけたホルスターから一本の銃を抜き取り、静かに少年へと向けた。
気づいていないわけではない、それでも少年は黙って目の前に広がる光景を怒りに満ちた目で睨み付けていた。
「私がこの街をこんな風に変えたんです、そんな私に殺されても貴方はそれでいいのですか・・・?」
子供にこんな事を問うべきでは無い、解っていても目の前の少年の姿を見ていると自然と言葉が出てきた。
「俺は弱いから、弱い者が負けて死んでいくのは当たり前なんだ」
小さな少年にこの街でいったい何が出来たというのだろう?
未だ銃を握った事もないような小さな少年だ。
戦う意味も未だ知らないような小さな子供。
「父さんがいつも言ってた、戦う事を諦めた自分達が悪いんだって、その時が来て銃を握って戦う勇気が持てなかったら最後ぐらい自分の恐怖心と戦って死を受け入れろって」
決してこの国は平和だとは言えない、毎日の様に何処かで戦争が起こり毎日の様に街が消えていく。
平和なのは外見だけだ、華やかな街で暮らす住民は毎日明日の平和を祈りながら恐怖に怯え暮らしている。
街を守るために戦おうと立ち上がる市民も多く存在している、それでも目の前に立つ少年はやはり銃を握るには早すぎた。
「それでも・・・・、恐怖に勝てない時は自分の弱さを怨んで決して泣くなって」
小さな少年のこぶしに力がこもる。
「皆泣かなかった、だから俺も泣きたくない」
怖くないはずが無い。
私は銃を握ったまま少年へ声をかける。
「死んでもいいんですか?」
言葉にはじかれるように少年の目が始めて私を見た、綺麗な緑色の目が揺れていた。
「私についてきませんか?」
緑色の目は私の持つ銃へと視線をゆっくりと移す、少年のすべてを奪ったそれへと向けられる視線は再び怒りを映していた。
その間はほんの数秒程度だった、少年は強く口の端を結ぶと一度深く頷く。
私は一つ笑みをもらし、握っていた銃をホルスターへと戻す。
「おいで」
言葉と同時に伸ばした手に少年の小さな指が触れた。
遠慮がちに伸ばされた腕を強く引き、私は少年を抱え上げる、同時に少年の瞳は大きく見開かれた。
少年の体は暖かかった、血の通った体に触れたのなんて何年ぶりだろうか。
私の腕の中で少年は戸惑った表情を作る、そんな少年の表情に私はつい噴出してしまう。
「未だ、名前を聞いてませんでしたね?私はレインと言います、貴方の名前は?」
未だ、戸惑った表情を浮かべる少年は一拍置いて、震える小さな声で「グンジ」と、短く返してきた。

今日私は、敵国の戦地で一人の小さな少年を拾った。
名前はグンジ、十にも満たない幼い少年は自分の意思で敵国の軍に下り戦地へと踏み込んだ。



(。`・ω・´。)あとがき★
とりあえず戦場で帝国に後々の1次デスペを拾ってもらいたかったので、こんな展開になった(ry
普通の子供だとつれて帰るなんて無いのでちょっと、異質な感じになっていただきました。:゚(。ノω\。)゚・
強い子供のようでやっぱり戦いに翻弄された可愛そうな一人の小さな子供だったり、デスペの幼少期ってきっとこんな感じだといいな(。・ω・。)w
強がりって可愛いんだもん(つω`*
そして、この日からパパレインの慣れない子育ての日々がはじま(ry
自分でつれて帰っちゃったんだからしっかりと面倒見ないとねパパ!
これからグンジには成長してもらいつつやんちゃで元気な子供に育ってもらいたいものです(´・ω・`) w
パパレイン成長していく子供に親バカっぷりを頼みます+。:.゚ヽ(*´ω`)ノ゚.:。+